2007年10月26日金曜日

初めての詩らしい詩

初めて書いた詩らしい詩は『血蛾(自我)』というものです。表題の通り、自我と血蛾を洒落で重ねた表題となっています。

自我、その想いを血の色をした蛾で表現したものです。つい自分から傷つかないとすまないもの、それは触らずにいられないもの、構わずにはいられないものであり、その自虐的な強い想いが溢れ零れて、鱗粉のように輝いて周りに付いてしまう。そんな情景です。

初めての詩は人によっては、恋であったり、愛であったりするのでしょうが、自分の場合は自我でした。きっと同世代の人ならば共感していただけると思います。ちょっと表現がどぎついとか、稚拙とかいうことはあるでしょうが。^^);

このテーマは私のそれから、繰り返し登場するテーマになりました。ブログには傷口(詩)として、目次整理をしています。ブログを是非読んでみてください。いやになるかもしれませんが。




血蛾(自我) 

                 beebee


血蛾が私の手に止まっている。
皮膚を引っ掻く三対の足。
私は妖しげな寒気に浸り
私の眼は喜びに満ち
その喜びが零れ落ちて血蛾の羽根を打つ。
ブリッとした紡錘形の腹部を撫でぞると
二つの指で扱きたくなるような
柔らかさとひだひだだ。
私の指に羽毛のように優しい鱗粉が絡みつく。
手の中に握られた血蛾は狂ったように腹部を振り
私の手は妖しげな喜びに震え
身体じゅうの毛穴から嘔吐が噴き出す。
握り潰すと私の指は緑に濡れ
腸のように白い糸が潰れた腹部から架かる。
血蛾の戦慄きにも似た痙攣は
その糸を伝って私の心につたわっている。
心の中に溢れている
この妖しげで病的な喜びは何だろう。


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