2007年10月19日金曜日

血の繋がりの意味について

生き物というのは、生きること自身が目的のような気がしませんか。昆虫の一生なんかを短縮して見ていると、生まれて、子孫を残して、死んでいく、それだけのような気がします。無限に続く連鎖の中で、血って何なんでしょうか。

次の詩は、昔、父に無性に腹が立って思わずした仕草が、その父親との血の繋がりを感じさせられて愕然としたことがあって、それを題材にしています。自分もまたそれを子どもに引き継いだという、厳然たる事実にどう考えて良いのかと、今も良く考えている題材です。
 
今は唯一無二に繋がっているということに、少し奇跡のようなものを実は感じています。きっと意味があるような気がします。どう思いますか?

血の因循の想いから旋回するような想いを旨く表現したかったのですが、力足らずですね。朧に見えているところがあるので、次回吐き出す時にはもう少し、面白い表現ができるかもです。^^);


因循と輪廻と繋がる想い     beebee


掴まり立ちする息子を支え、
私に振り向く妻の肩先に思い出す情景がある。
思い出すとあの日私は
父親の傲慢な仕打ちに猛然と腹が立ち、
押し入れの中の布団に向かって拳を突き入れた。
幼い頃にはその中に隠れて
自分を押し殺しもしたが、
また別の日には悪さをして閉じ込められた暗闇へ
拳を突き入れた。
母や兄には平然とした姿で通そうと思い、
心を落ち着け戻ろうと振り向いたが、
振り向いたその姿に
見覚えがあった。
その仕草に見覚えがあったのだ。
私は愕然として打ちのめされた。
繋がっているという明快なるシグナル、
血というものが持つ逃れられない運命の力、
この世の全ての否定すべき物の第一等にこそ、
自分が繋がっているという血の意識に
打ちのめされた。
あれから何年経つのだろう?
今では定かでない理由から発した衝動に
私は確かに打たれたのだった。
掴まり立ちをし始めた息子を見て妻が言う。
ほら右の肩先を下げる歩き方、それって
あなたに似てるわ。
ほら振り返る仕草って、あなたに
そっくりよ。
私は心の奥の奥の底の底の暗闇に繋ぎ止められる。
私が父から引き継ぎ、
全面的に否定しようとした何ものか全ては、
この子に引き継がれてしまった。
それは何か?
未だに私には分らないのだ。
でも、
それは一種の奇跡なのだとも思うのだが。

奇跡
あなたは奇跡を信じますか?


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