2007年10月22日月曜日

夕暮れの情景二題

わたしは夕暮れから夜になるまでの間が好きです。どこかで一瞬に夜になるんじゃないかと待っていると、空気がいつの間にか藍色になって、まわりの空気が夜のエネルギーできらきらするような気がします。仕事帰りによく日比谷公園に出没してました。

そんな情景を書いた詩が二題あります。両方とも、実はお気に入りなんですが、評価は分かれるようです。投稿サイトによってはまったくコメントも貰えなかったりしました。

二つとも同じ情景を書いているのかもしれません。読み比べてください。文字の配列もそれぞれ違えた方が良いような気がするのですが、どうでしょうか?

転生の瞬間     beebee

** 夕方、公園のベンチで **

ぼくは夕方の景色が好きだ
建物に夕日が当たって輝き出す

(と直ぐに)

周辺の空気が藍色に染まり出す

(それでもまだ)

一部に明るい青を残している空

(日が落ちると)

だんだん濃くなる藍と青のせめぎ合い
まわりが暗くなると反対に
地面の草や花が光を帯び始める

(そんな時間帯)

日中の微熱を残しながら冷えていく空気が好きだ
ひとり公園のベンチに座り静かに日が落ちるのを待つ
目蓋を落とす一瞬の切れ目で夜に入れ替わる瞬間
ばくは新しい生を受ける
夜はぼくの馴染みのもう一つの別の時間なんだ

ようこそ、スタートだね



タイヨウのうた
beebee
日が沈む時、あなたは何を思いますか?
夕日がビル街に反射して
アスファルトに撒かれた水がきらめきを残している
静かに息をひそめる温度に
あなたの手は冷ややかな熱を感じるだろう
冷めているが暖かい空気が流れていく
日比谷公園にあるレストランの飾り窓に置かれた
オレンジの塊は手を伸ばすあなたを逃れて
虚空へ消える
その鮮やかな手品に都会人は呆然と立つままになる
外灯に明かりがともり
身体に暗いコートをまとう時
独りベンチに座り
想い出に涙するのはわたしかもしれない
もうしばらくこうしていよう
心地よい眠りが私を誘うまで
もうしばらくじっとしていよう
タイヨウが眠るまで


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