2007年10月21日日曜日

日常の仮面を外して

就職をしてから、初めの頃はまだ詩を書いていられたのですが、だんだん仕事が忙しくなったり、もしくは仕事が面白くなったんだと思います、いつの間にか詩を書かなくなっていました。その頃は週休二日制でもなく、土曜日も普通の日のように仕事をしていました。仕事が日常で日常が仕事だけになりました。残業も当たり前だし、夜も仕事を家に持って帰るのが当たり前でした。

そんな時、休みの日もまた明日が仕事だと思うと、頭の切り替えもできませんでした。新入社員だから当り前だと言えば当り前ですが、毎日仕事から精神的に解放されるまで相当時間がかかったと思います。バブルがはじけてこの方の今とは様変わりだと思います。

だから前にも書いた通り、就職してからの自分の詩は夜の様相を観察するところから始まったような気がしています。日曜日にはぐったり半日は寝ていて、カーテンを落として生活していて、目が覚めるともう半分休みが終わっているっといった具合です。

自分を取り戻すためには、カーテンを厚く閉ざして、日常の何物も考えず、今思うと贅沢な時間の遣い方、つまり無駄遣いに一日が終わることでした。でも、実際そんな時間が自分を自分らしくしていたように思います。そんな様子を書いたのが『カーテンを厚く閉ざして』です。

自分の作品の中では詩を一度止める前の初期の作品ですが、自分の中では気に入っている詩のひとつです。残念ながら幾つかの投稿サイトに投稿しましたが、全然反応はありませんでした。

でも、自分の初期の代表作だと思っているんです。読んでみてください。^^);



カーテンを厚く閉ざして      beebee


日曜日の昼下がりに
ぼくは窓に厚いカーテンを降ろす
日は高く空気は膨らんでいる
日光を部屋に入れてはいけない
厚いカーテンを降ろし
コカインを傾けよう
頭脳を混濁させ
熱い眠りの快楽に
体を弛緩させる
午後
都会人の快楽
さあ
コカインを傾けよう
精神を堕落させよう
肉体は今日一日の緊張から解き放たれ
静かに寛いでいる
アルコールランプが燻り
部屋の空気は扇風機に攪拌されている
物憂い初夏の昼下がり
部屋を厚いカーテンで閉ざし
身体を閉じ込める精神の内
立場は今逆転する
日中の重要なものは悉く意味を失い
何でもない精神の翳りこそが今一番重要なのだ
精神の怠惰な物憂さの内に
人間の一生を生きるのだ
午後
鮟鱇のようにくわえ込み過ぎた雑多のものを
精神を惑わす悉くの物を吐き出そう
どくどくと
脈打つ血管の
痛みこそ
身体は知っている



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